ECB総裁、ユーロ圏はステーブルコイン以外のインフラ構築を推奨
欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、ユーロの国際的役割を強化するうえでステーブルコインが最良の手段ではないとの見方を示しました。スペインのロダ・デ・バラで開催されたスペイン銀行主催のラテンアメリカ経済フォーラムで、ステーブルコインの役割について言及し、米ドル建てステーブルコインに対抗してユーロ建てトークンで応じるべきではないと述べています。
ラガルド総裁はステーブルコインの機能を「通貨機能」と「技術機能」に分けて分析しています。通貨機能の側面では、ユーロ建てステーブルコインが資金流出リスクや準備金の脆弱性といった金融安定性の懸念をもたらす可能性を指摘しています。また、銀行預金が流出した場合には金融政策の波及効果が弱まるリスクがあるとも述べています。技術機能については、ステーブルコインが唯一の解決策ではなく、中央銀行マネーや商業銀行預金など他の形態のトークン化された資金も同じ役割を果たせると説明しています。
EUの対策として、ラガルド総裁はPontesプロジェクトによる中央銀行マネーを活用した卸売決済と、2028年までに完全に相互運用可能な欧州のトークン化金融エコシステムの構築を目指すAppiaロードマップなど、中央銀行マネーを基盤とした公的インフラの整備を推奨しています。現在、米ドル建てステーブルコインが市場の約98%を占める中、欧州は独自の目標に適合したインフラを構築すべきだと強調しました。